その時、彼らの将来を守るために、どんな選択肢があるのでしょうか。
ここでは飼い主の死後、ペットの将来を守る方法について、以下をご説明します。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。
一人暮しの飼い主の死後のペットの将来
高齢化社会に伴い、愛犬・愛猫と一人暮しを行う高齢者の方が増加しています。そして一人暮しの方の孤独死も、同様に増加しています。
まずはその場合、どのように進むのでしょうか。
近隣住民がご遺体を発見した場合
多くの場合は愛犬・愛猫はその場で保護され、動物愛護センターなどの保護施設に連絡されます。(※自治体の一部では、保健所が動物愛護センターの役割を担っています。)
この件に関しては、警察内部で「飼い主の死亡により取り残されたペットを発見した場合、市の動物愛護センターに連絡する」旨の指導が行われています。
亡くなった飼い主にご家族がいた場合、動物愛護センターはご家族に愛犬・愛猫の所有権を主張するかを伺います。
もしご遺族の方が「飼い犬の所有権を放棄する」と伝えた場合、動物愛護センターは所定の期間ペットを保護・里親を募集し、引き取り手が現れない場合、殺処分が行われます。
ご遺体の発見が遅れた場合
悲しいことですが、大きな社会問題として現実に起きている事態です。
ご遺体の発見時に愛犬・愛猫が衰弱している場合、そのまま動物病院にて保護いただける場合もあります。
ただ、動物病院による保護は病院側の懇意による部分が多く、全ての動物病院が受け入れ可能ではなく、多くの場合ペット達は治療完了後、動物愛護センターに引き渡されます。
愛犬・愛猫の将来を守る5つの選択肢
前述のように、飼い主の死後、多くの愛犬・愛猫の将来は不安定です。
私たちが愛犬・愛猫の将来を守るためには、以下の選択肢があります。
愛犬・愛猫を譲渡する
- 愛犬・愛猫を里親の方にお譲りする
- 親しい方に愛犬・愛猫を譲渡する
関連記事:愛犬・愛猫の安全な譲渡にむけた重要事項チェックシート
:犬・猫の里親と定める詳細事項と譲渡契約書の書き方(文例付き)
この時に譲渡されるペットが高齢の場合、長年の癖が矯正できないため生活環境に適応できず、再譲渡が検討される場合があります。
ただ、高齢のペットが引き取られる機会は限られています。
再譲渡を回避するためには、事前に飼育ができるか「仮の里親期間」にて確認することが効果的です。
関連記事:犬・猫の譲渡の前に定める仮里親期間の効果と準備書類(条項付き)
愛犬・愛猫に財産を残す
それぞれに特徴があり、飼い主と受贈者の間柄によって選択すべき種類が異なります。
愛犬・愛猫に財産を残すには、以下の方法があります。
- ペット信託を利用して財産を残す
- 負担付の贈与契約を利用して財産を残す
- 遺言による遺贈を利用して財産を残す
関連記事:愛犬・愛猫のお世話を任せる負担付死因贈与契約の特徴と注意点
:愛犬・愛猫の世話を任せる負担付死因贈与契約の文例付き雛形
これらの方法は契約書類を必ず作成し、受贈者の飼育放棄を予防する必要があります。
時には執行者を設定し、飼い主の死後も受贈者により大切に飼育されているかを監視しましょう。
民間のボランティア団体・NPOのお力を借りる
飼い主の死後、愛犬・愛猫を保護してくれる団体を、事前に見つける方法です。
ただ全てのボランティア団体・NPO団体が常に受け入れが可能とは限りません。
団体の財源にも限りがあり、委託時の費用が必要な場合もありますので、個々に確認が必要です。
老犬・老猫ホームに預ける
近年は老犬ホームだけでなく老猫ホームも、そのサービスの幅を広げています。
費用的には月額3万~、飼育を終生お任せするタイプでは1括100万~が相場です。
また預けたペットを、定期的に飼い主の元に連れてきてくれる「愛犬・愛猫の面会」のサービスも人気です。
愛犬・愛猫と共に入居できる介護施設を選ぶ
飼い主と愛犬・愛猫の死後、同じお墓に入れる霊園もあります。
愛犬・愛猫と最後まで一緒に過ごせることが最良の喜び、その想いを果たすことができる素晴らしいサービスの一つです。
飼い主の死後もそのご意思を尊重するため、ご家族やご友人が率先して行動されるケースも多く見られます。