愛犬が人を噛んでしまったら?
殺処分される可能性はある?
愛犬が人を噛んでしまった時、飼い主として保健所に連絡をします。

そしてその際に頭をよぎるのは、愛犬の殺処分への恐怖かもしれません。

ここでは犬の噛みつき事故の保健所の対応と殺処分の可能性について、専門の行政書士が詳しくご説明します。

この記事が、ペットトラブル解決のお役に立てれば幸いです。


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犬の噛みつきに対する条例

まず最初に、愛犬が噛みつき事故を起こしてしまった場合、どの様な経由で殺処分等の命令に繋がるのでしょうか。

まずこれに関して、咬傷事故が発生した場合、飼い主・被害者・ケガの治療を行った医師より保健所に連絡を行います。

そしてそれに付随して、各都道府県の条例に飼い犬の殺処分に関する以下の内容があります。

ここでは例として、東京都の『動物愛護及び管理に関する条例』を見てみましょう。

第三十条(措置命令)

知事は、動物が人の生命、身体若しくは財産を侵害したとき、又は侵害するおそれがあると認めるときは、当該動物の飼い主に対し、次の各号に掲げる措置を命ずることができる。

四 動物を殺処分すること

この様に、愛犬が人を噛んでしまった場合、飼い主は最寄りの保健所(動物愛護センター等)に報告する義務があります。地域ごとに条例に差異はありますが、基本的には同様の義務が課されています。

さらに飼い主は、保健所に対して24時間以内に「飼犬の咬傷届」を届け出る必要があります。

そしてその時「保健所=殺処分」のイメージをご想像されると思います。ただ実際には、犬の噛みつき事故により、即殺処分につながるケースは稀です。

殺処分の命令が下りるには、咬傷事故の程度や頻度将来的な危険性被害者からの要請など、様々な要素が求められます。

そのため、噛みつき=上記の命令が即下るということではありません。

まず噛みつき事故の連絡を受けた保健所は、その該当犬の飼い主に咬傷事故に関する確認を取ります。そしてその際、以下の内容をヒアリングします。

保健所からの確認事項

噛みつきは事実か』『どのような状況で発生したか』『飼育方法に問題はなかったか
これらの内容を元に、その咬傷事故の原因確認と対策が講じられます。

具体的には、保健所から飼い主に対して当日の状況や噛みつき後の飼い犬の様子など、様々な事実の確認が行われます。そして檻の設置や犬小屋の移動など、今後の噛みつき事故の予防策・飼育環境の改善が優先的に話し合われます。

そしてあくまでそのお話は『予防対策』をメインにしたものであり、改善に関する指導をいただくイメージをお持ちください。

そのため「保健所=殺処分」のイメージを持ちすぎず、まずは保健所からの指導を飼い主として真摯に受ける姿勢も大切です。

その保健所からの確認に際して、事実を隠し「家の犬は噛んでいない!」などの報告をした場合、保健所経由で被害者の方にその旨のお話が伝達される場合があります。

そしてその場合、トラブルはより感情的になり、本来平穏に治められたトラブルが再燃する可能性も少なくありません。

特に噛みつき事故に対して個人間の和解をご検討されている場合には、保健所様からの飼育改善を和解案に練り込むなどの方法も効果的です。

より平穏無事に収められるよう、事実のみをお伝えになられることが宜しいのではないでしょうか。

噛みつきが殺処分につながるケース

前述のように、噛みつきがすぐに殺処分につながるわけではありません。

しかし以下の場合、殺処分の危険があります。

  1. 訴訟に発展し、裁判所より殺処分命令が出た場合
  2. 度重なる噛みつきにより、著しい害を及ぼすと判断された場合
  3. 被害者から飼い主に対し、頻繁に殺処分が請求された場合
(1)(2)に関しては、噛みつきトラブルが訴訟まで発展したケースに考えられます。

(3)は、行政による強制力ではなく、トラブル相手からの執拗な殺処分の請求により、飼い主が自ら保健所に殺処分を求めるケースです。

この場合「愛犬を自ら殺処分することは考えられない。」とお考えだと思います。

ただ実際には、噛みつき被害者からの度重なる請求に対する責任感から、やむなく殺処分を選択するケースもあります。

トラブルの最中には、飼い主だけでなくご家族にも大きな精神的ストレスがかかり、一つの選択肢として殺処分が選ばれることも少なくありません。

これは個々のライフスタイルによるものであり、一概に否定できない部分です。

いずれのケースでもペットトラブルが複雑化した場合、殺処分の危険が浮上します。殺処分の可能性のあるペットトラブルは、できるだけ早急に治めなければなりません。

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殺処分を避けるための対処法

話し合いで殺処分の請求を収めるには、被害者の感情面に配慮した対応が必要です。

具体的には、以下の方法があります。

  • 相手が指摘する飼育改善を行い、改善内容を提示する
  • しつけ教室に通わせるなど、殺処分の代替条件を提示する
  • 愛犬を里親に出す
もちろん、飼い主として上記の提案には納得できないかもしれません。

ただ、飼い犬の噛みつきトラブルでは被害者の感情が高まりやすく、飼い主の言い分を聞き入れる心情でない場合が多いでしょう。「愛犬の殺処分を避ける」という目標を第一に考える場合、相手の感情を満たす対応が必要です。

特に犬嫌いの方と愛犬家の犬に対する考え方には大きな乖離があり、その差を前提として被害者がより納得しやすい条件を提示する必要があります。

時には直接的な謝罪表現を使用し、謝罪の念を根気よく伝える元始的な方法も効果的です。

さらにより和解しやすくするためには、上記に加えて以下のアクションが効果的です。

  • ワクチン接種証明書を提示する
  • 保健所から提示された飼育改善を迅速に行う
  • 徹底的に文面に配慮した和解書を差し入れる
  • 謝罪の念や請求への回答を、内容証明郵便やお手紙などの書面で伝える
特に和解書に関しては、後に殺処分を再請求されない、それでいて署名・押印しやすい文面が必要です。

もちろん、相手が虚偽報告をするなどの不条理な状況であれば、保健所や介在する警察にその旨を伝え、より正当な判断を促すべきでしょう。

また、被害者側から感情的に「殺処分をしろ!」と、一方的な請求を繰り返される場合もあります。

その場合にも、難しい感情面に配慮した謝罪方法を検討しなければなりません。

これらに関しては、以下の記事で細かくご説明しております。お時間がありましたら、ご一読ください。

参照:飼い犬が人を噛んでしまった時の効果的な謝罪方法と解決手順
  :ペットトラブルで示談書を交わしづらい場合の具体的な対策

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