ペットトラブルで示談書を交わしづらい場合の具体的な対策
ペットトラブルの相手と示談書・和解書を交わしづらい場合があります。

その場合、私たちはどのように対処すべきでしょうか。

ここではペットトラブルで示談書を交わしづらい場合について、詳しくご説明します。

この記事が、ペットトラブルの解決のお役に立てれば幸いです。


ペットトラブルで示談書を差し入れづらい状況

実際にペットトラブルで示談書を差し入れづらい状態は、加害者側に多く見られます。

それには示談書の作成に関して、被害者側に一定の意識があるためです。

具体的には、以下のケースなどが散見されます。

被害者が示談書を締結したくない理由

  • 大きなトラブルではないから、書面を交わすほどではない
  • 被害者側が署名・押印をする理由が分からない
  • 示談書を交わすことに対して、信用されていないように感じる
この様に、ペットトラブルに対する人の感じ方は様々です。これらは噛みつき時の飼い主の対応・態度にも大きく左右されます。

また「示談書」「和解書」といった、厳格な名称も締結を避けられる理由です。

また示談書の締結だけではなく、被害者側からは以下の主張も見られます。

  • 1. できるだけ早く終わらせたいので、保険を適用させず自腹で支払って欲しい
  • 2. あまり話をしたくないので、治療費と慰謝料を支払ってもらい終わらせたい
  • 3. ペット仲間とのトラブルの場合、何も請求しない
1.に関しては、「少額なのだから自腹で払って欲しい」と言われ、被害者の方に署名・押印をもらえず、保険会社に提出する被害者の署名・押印などを提出できず、保険が適用できない場合があります。(※保険会社によって異なります)

また3.に関しては、将来的にケガが悪化したり後遺症が出た場合、治療費を請求される恐れがあります。一方、示談書を締結できた場合には、その中に記載した「免責事項」として、将来的に請求される恐れを回避すること可能です。

免責事項の記載例

甲乙間において本示談書に定める事項以外には、当事者間になんら債権債務が存在しない事を確認する。また甲は、本件示談条項に定める事項以外の請求権をすべて放棄する。

ただ、これらの言い分も理解できますし、実際に人間関係を加味した場合はそのような選択肢もあると思います。

しかしながら加害者側としては、治療費や慰謝料の支払いの領収書や合意をもらわず、全て口約束で終わらせることは大きな不安が残ります。

そのため、仮に示談書の締結を断られた場合でも、できるだけ将来的にも自分の身を守る書類を用意しておきましょう。


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示談書に代わる手段と注意点

被害者に書面の和解合意をもらいやすくする方法には、以下があります。

  • 1. 示談ではなく、領収書の名目で作成する
  • 2. タイトルを示談書から柔らかい表現に変える
  • 3. 署名・押印に拒否感を持たれている場合、署名のみにする
  • 4. 加害者からの謝罪を含む文面にし、謝罪文の意味合いを強くする
この様に書類の目的を「和解・免責」だけではなく「治療費・慰謝料の領収」「謝罪」の意味合いを加える方法です。

この配慮によって相手方への印象も変わり、より署名押印していただきやすくなります。

ただ、3に関しては注意が必要です。これは、本来であれば署名・押印までいただきたい所を署名のみにすることで、相手側の締結に対する圧迫感を下げる方法です。

しかし署名のみの示談書は、契約に対する意思が不足していると取られかねず、その分証拠能力も下がります。そのため、できるならば避けた方が良いでしょう。(※パソコンなどで氏名を打った、記名のみの契約書は無効とみなされます)

繰り返しですが、これらの書類に合意いただく際は、必ず前項の「免責事項」を記載しましょう。それによりペットトラブルに関する支払いと責任の範囲を明確にし、将来的な請求を未然に防ぐことができます。

ペットトラブルの多くは個人間での和解が選択されます。そしてその際、できるだけ相手の方のご心情を把握することが大切です。

より安全な書類をご作成いただき、ペットトラブルを平穏にお納めください。