この書類による意思表示の使い方は、請求だけにとどまりません。
ここではペットトラブルで効果的な話し合いについて、詳しくご説明します。
一般的な内容証明の使い方
クーリングオフにおける解約通知などにも使用され、相手への手渡しと同時に送付記録が残る内容証明郵便は、トラブル解決の初期段階で活用されます。
内容証明の持つ独特の圧迫感を利用し、話し合いに応じない方に応じていただく心境を作り上げる方法や、これからの話し合いを平穏に行う方法などです。
ただこのケースにおける内容証明郵便の活用には、細かな配慮が必要です。受け手の心情だけではなく、内容証明自体が持つ証拠力の高さにも気を付けなければなりません。
そのため、必ず内容証明郵便の持つ効果を理解した上で使用する必要があります。何卒ご注意ください。
参照:ペットトラブルでの内容証明郵便の作成方法と送付マニュアル
心理に配慮した内容証明郵便の活用方法
まず今回の内容証明郵便の送付目的は、以下の通りです。
- 1. お怒りで話に応じない方に、再度話し合いの機会をご用意いただく
- 2. 初めての話し合いに、平穏な空気を持たせる
- 3. 話し合いに応じない方に、法的な圧迫感を持たせる
次にどのような状況が当てはまるのか、例を含めてそれぞれをご説明します。
1. お怒りの方に再度話し合いの機会をご用意いただく
例えば、一度譲渡したペットを返還していただきたい場合などでは、返還を直接請求しても応じられない場合が多いでしょう。(譲渡条件の違反時などのケースは除く)
この場合、文面では謝罪の意と今一度お話し合いを持っていただきたい旨などを記載します。
当然お話し合いに応じていただけない可能性も十分に残りますが、相手がお怒りの内容を明確に謝罪する、譲歩条件を設定するなど文面を入念に練りこむことで、お話し合いに応じられる可能性は高くなります。
これらの多くは、一度お話し合いが決裂した場合などに使用します。
2. 初めての話し合いに、平穏な空気を持たせる
一般的に内容証明郵便を受け取った方は、何かしらの請求を受けたと感じます。しかし封を開けると「話し合いで示談を求めたい」と記載があり、相手に対する心情は一変します。
そしてあえて「応じられない場合には法的処置を検討している」などの記載を入れず、まずは平穏な話し合いで解決させませんか?と意思を伝える方法にも一定の効果があるでしょう。
ただ、相手の方に対して将来的に何かしらを請求する場合、内容証明郵便を複数回送ることによる圧迫感の減少が危惧されます。
そのため、あまり最初の段階から内容証明郵便による通知は得策とは言えません。このような方法もある、とご存知いただければ十分でしょう。
話し合いに応じない方に、法的な圧迫感を持たせる
この内容証明郵便は、被害者が加害者にお送りする場合が多いでしょう。
最初からお話し合いに応じない方の心理には「請求を受けたくない」という気持ちがあります。そして話し合い自体に応じないことで、請求が諦められる可能性も期待しているでしょう。
その結果、「いずれにしても請求が行われるなら、相手が和解の意思を持つうちに話し合おう」という心理に傾きやすくなります。
これらの内容証明郵便は、ご自身でも作成することが可能です。相手の反応を思い返し、どのようにすれば平穏な話し合いが出来るのだろう、と熟考を重ねることが大切です。
相手がお話し合いに応じない場合など、ご検討されてはいかがでしょうか。