感情的な相手に対する内容証明郵便の効果的な記載方法

トラブルにおいて意思を伝える内容証明郵便。

その送付先が感情的な相手の場合、どのように記載するべきでしょうか。

ここでは感情的な相手に対する内容証明郵便に関して、専門の行政書士がご説明します。

この記事がより効果的な内容証明郵便につながれば、幸いです。


感情的な相手に対する意思表示の注意点

まず感情的な相手に対する内容証明郵便自体に意味があるのか、という問題があります。

確かに感情的なトラブルの場合、内容証明郵便による請求が受け入れられないケースが多くみられます。

ただ、書き方次第で効果的に意思を伝えられるのが文章です。

感情的な相手の場合、以下の目的で内容証明郵便を使用することがあります。

  • 1. 民事調停や裁判前の最終通知として送付する
  • 2. 請求した記録自体を残すために送付する
  • 3. できるだけ効果的に文章を作成し、最終通告として請求を受け入れていただく
1.2の様に、内容証明郵便自体で請求を受け入れさせるのではなく、最終的な催告請求の記録として使用する意味合いがあります。

そして今回は、3を目的とした内容証明郵便を効果的に記載する方法です。

まずは、感情的な相手の考え方を考慮します。一般的には、以下の可能性を検討しましょう。

  • 1. 冷静に読んでもらえる心情ではないと想定する
  • 2. 必ずしも論理的な意見が通用しないと想定する
  • 3. 最初から何も受け入れる意思がない可能性がある
  • 4. 請求を最小限にとどめるためのアピールの可能性もある
  • 5. 高圧的に接することで、相手が諦めることを想定している
1は文章全てが頭に残らないわけではないでしょう。内容証明郵便の後半に記載する「請求内容」により、請求に応じなければ自分に何が起きるのか、という点は印象に残ります。

2.3のケースは非常に多くみられます。いかに正当な意見を伝えても、相手側が「法的に正しいか」「倫理的・道理的に正しいか」という観点で検討しない限り、請求には応じられない場合が多く見られます。

また4.5に関しては、「自分に非があると認めつつ、請求を最小限に抑えたい」という意思が見えます。

次項ではこれらの注意点を元に、内容証明郵便の案文を検討します。


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効果的な請求文章の作り方

内容証明郵便では、前述のそれぞれの可能性を考慮して案文を作成します。

ここでは前項の各項目ごとに、案文作成上の要点を確認しましょう。

冷静に読んでもらえる心情ではないと想定する

この場合、感情的な側面や相手の過去の態度などを掘り起こすと、論点がずれる恐れがあります。

具体的な請求内容と応じられない場合には法的処置を検討している旨を記載し、ストレートな圧迫感を持たせます。

特に、読み終わりの部分に感情面の記載を行わない配慮が効果的です。

必ずしも論理的な意見が通用しないと想定する
この場合、論理的に自分の正当性を伝えても効果が薄い場合があります。

そのため、前述の1と同様にストレートな請求が効果的な場合が多くみられます。

そしてその際、論理的な展開の中に民法○○条刑法○○条といった具体的な法律名を加えることには、一定の効果があるでしょう。

内容証明郵便の文面では自身に対する請求に目が向きやすく、このような請求の法的根拠を強調する方法も効果的です。

最初から何も受け入れる意思がない可能性がある

正直この場合、納得できる請求は難しいかもしれません。

ただ、初めて民事調停・民事訴訟などの名称を出すことで請求に応じる場合もあります。

内容証明郵便全体を短く作成し、請求内容と民事調停・民事訴訟などのネーミングが印象に残る書き方もご検討ください。

請求を最小限にとどめるためのアピールの可能性もある

この場合、請求に応じていただく余地があると考えます。

ある程度の自身の非を認めていて、性格やプライドがそれを認めさせない場合もあるでしょう。

その場合こちら側が請求内容を抑えたり、以下の一文を加えるなどの感情面での配慮が効果的です。

  • 請求に応じて頂いた場合には、今後一切の請求を行わない旨
  • 衝突を望まず、ただ平穏なる和解を望むだけである旨
  • 今後は友好な人間関係を築きたい旨

そしてこれらの一文は、ストレートに表記すると良いでしょう。回りくどく複雑な表現を記載せず、「和解したい」という意思を伝えましょう。

ただ、その場合にも「請求に応じられない場合、法的な手段をとる事を検討している」などの一文による最小限の圧迫感は必須でしょう。

高圧的に接することで、相手が諦めることを想定している
これは前項に非常に良く似ていますが、高圧的な態度を一つの駆け引きとしている側面があります。

この場合には、あえて相手の駆け引きを受け入れた上で、請求の期日や内容を抑える配慮を施した上での文章が良いかもしれません。

ただ必要以上に請求を抑えすぎる事も危険です。後になって請求内容を上乗せするのは非常に難しく、また内容証明郵便を複数回送付することは、請求の圧迫感を極端に下げます。
このように内容証明郵便を使用した請求では、「請求に応じない意識的な理由」「応じなければならない圧迫感」「応じても良いと思える感情面」「物理的に応じられる請求内容」この4点を加味するべきでしょう。

相手方の感情面を考慮した、効果的な内容証明郵便をご作成下さい。

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