飼い犬にかまれて病院に行くと、健康保険は適用されませんと言われることがあります。

さまざまな理由が考えられますが、飼い犬にかまれた場合にも健康保険は利用できます。

ここでは飼い犬にかまれた際の健康保険について、詳しくご説明します。

この記事が、ペットトラブル解決のお役に立てば幸いです。


広告主様


健康保険が不適用と言われた場合の対処法

冒頭のように、飼い犬にかまれた場合は健康保険は適用されませんと病院で言われる場合があります。

実際は飼い犬にかまれた場合にも健康保険は適用されます

これには病院側が自由診療をすすめたいという考えがあるように思います。

自由診療とは、保険が適用されない診療です。厚生労働省が承認していない治療や薬を使用する場合などがあり、この場合の治療費は全額自己負担です。

保険診療(健康保険を適用する診療)の場合には、治療費の7割を国民健康保険・健康保険組合などが負担し、残りの3割をかまれた被害者が自己負担(一部負担金と呼ばれます)します。

一方、自由診療の医療費は病院側が自由に設定できます。病院側が自由診療にしたい理由はこの点にあると思われます。

もし健康保険が適用されないと言われた場合は、健康保険が適用できるはずであるとお伝えください。この際、あまり高圧的に言わないことが大切です。窓口では、まず最初にそのように案内する指示かもしれません。

これで健康保険が適用されれば一番です。

ただ、それでも適用できないと言われるようならば病院を変えることも必要です。自由診療を断ると態度を変える病院もあります。その場合には、治療のためにも優良な別の病院を選択しましょう。

ただ早急に治療が必要なケガの場合は、その限りではありません。

自由診療による全額自己負担を覚悟で治療するか、あとで健康保険協会のホームページを見せ、再度健康保険の適用を申し出るなど、臨機応変に対応します。


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飼い犬にかまれた時の適用方法

日本では医療保険の加入が義務付けられているため、みなさんは何かの健康保険に加入されています。

健康保険には以下の組合や、個人が任意で加入する任意保険などがあります。

  • 国民健康保険(自営業)
  • 共済組合(公務員)
  • 健康保険組合(大企業など)
病院で健康保険証を使用してケガを治療する場合、まずかまれた時間が通勤・仕事中の時間帯かどうかを確認します。

もし、通勤・仕事中であれば労災保険の給付対象となり、健康保険は使用できません。この場合、会社の担当者から労働基準監督署に連絡します。

そしてここからは通勤・仕事中ではない前提です。

飼い犬にかまれた場合は、民法の不法行為(第三者行為)に当たります。治療にかかる医療費は飼い主が負担すべき医療費となります。(民法第718条:動物の占有者等の責任)

まず病院で健康保険を適用した場合、自己負担額3割を支払います。この一時負担金は被害者から飼い主、もしくは飼い主が加入する保険会社に後日請求します。

残りの7割は全国健康保険協会などの組合・協会が、かまれた被害者(健康保険加入者)にかわり、立て替えた医療費の範囲内で飼い主に損害賠償を請求します。

この場合、全国健康保険協会などに以下の届出が必要です。すぐに届出書を提出できない場合には、かみつきの状況を電話などで連絡し、後日、早急に届出を行います。※下の必要書類などは全国健康保険協会への届出を前提とします。

第三者行為による傷病届

損害賠償請求にはかみつき事故に関する詳細情報が必要です。そのため、この第三者行為による傷病届に、かみつきの状況や示談の有無などを記載します。

被害者・飼い主のいずれかが任意保険に加入している場合には、その任意保険会社が書類作成をサポートをしてくれます。下の事故発生状況報告書も同様です。

事故発生状況報告書

この書類は交通事故の場合に提出します。

負傷原因報告書

業務上や通勤中のかみつき事故ではないかどうかを確認する書類です。

念書

健康保険協会が損害賠償請求の権利を持つことの同意や、当事者で示談をする場合には事前に連絡する旨などの同意を記します。

損害賠償金納付確約書・念書

これは飼い主(加害者)に記入してもらいます。健康保険協会が負担した診療費を請求された際には、速やかに納付することを約束する書類です。

飼い主が署名を拒絶した場合には、この書類の余白にその理由を記載し提出します。

同意書

健康保険協会が飼い主の損害保険会社などに損害賠償を請求をする時には、医療費の内訳を添付するため個人情報を提供することになります。この書類ではその旨の同意を記します。

上記の届出書は下記参照サイトの「交通事故以外の場合はこちら」からダウンロードできます。

参照:全国健康保険協会 協会けんぽ

適用時の注意点

飼い犬にかまれたケガの治療に健康保険を適用する場合、以下の注意が必要です。

  • 健康保険組合に連絡する前に当事者で示談を行わない
健康保険で治療を受けた場合、健康保険組合などから飼い主に対して治療費が請求されますが、請求前に当事者で示談を行った場合、正当な請求ができない恐れがあります。
  • 治療が完了する前に当事者で示談を行わない
当事者同士の示談により被害者が治療費用を含む損害賠償金額を受け取った場合、その日以降の治療に対して健康保険が適用されなくなる恐れがあります。
  • 健康保険で治療するため医療費は必要ない旨の示談を行わない
この場合、医療費の損害賠償請求を放棄したことになります。健康保険協会から飼い主に負担治療費を請求できなくなり、医療費全額をかまれた側が自己負担しなければならなくなります。
必ず当事者同士で示談するまえに、加入する健康保険協会に事前連絡しましょう。その後の示談・示談書を作成するタイミングに関しても指示を受けましょう。

その後に当事者間で示談書を作成する場合や、飼い主から一時負担金が支払われない場合は、以下の記事をご参照ください。

関連:ペットトラブルの示談書作成手順とその書き方(文例付き)
  :内容証明郵便で飼い犬に噛まれた治療費を請求する効果的な書き方(文例付き)

飼い犬にかまれた場合、被害者だけでなく飼い主も非常に不安になります。

ただ、どんなトラブルでも一つずつ問題解決すれば、不要な争いは避けられるでしょう。

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