そんなペットトラブルの解決策の一つに民事調停があります。
ここではペットトラブルを当事者で解決する民事調停について、詳しくご説明します。
この記事が、トラブル解決のお役に立てれば幸いです。
民事調停の特徴と進めかた
具体的には以下の手順で解決策が提示されます。
- ペットトラブルに関する提出資料と話し合いから事実関係を確認する
- 裁判官と民事調停委員により解決策が提示される
- 話し合いがまとまると、裁判所書記官が調書に記載し調停が成立する
民事調停委員は原則40歳以上70歳未満の弁護士、医師、大学教授、公認会計士などの専門家や、地域社会で活動が認められている人などが選任されます。
強制執行とは、国の権力(民事執行法)によって強制的に相手側の財産を差し押さえて支払いを行わせる制度です。ペットトラブルでは治療費や慰謝料などの金銭の支払い義務がある飼い主などが対象になります。
話し合いで合意ができなかった場合には、調停は打ち切られます。また話し合いが難航している場合は、調停委員会より適切と思われる解決案(調停に代わる決定と呼ばれる)が提示され、当事者のいずれかが2週間以内に異議を申し立てなければ、調停の成立と同じ効果があります。
調停が成立しなかった場合には、次の段階である訴訟を検討することになります。
利用しやすい性質
また民事調停は裁判より利用しやすい、以下の特徴があります。
- 裁判所の手数料が非常に低額
- 調停は非公開で行われ第三者に知られることがない
- 裁判よりも効率的に話し合えるため、迅速に解決しやすい
- 申し込みの手続きが非常に簡単
ペットトラブルは感情的な言い争いが長期化しやすい特徴があります。お互いが解決策を提示しないまま長引くことも少なくありません。
その点、調停ではポイントを押さえた効率的な話し合いが行われます。調停委員会による具体的な解決策を元に迅速な解決が期待できます。1事案につき平均約2、3回の調停が行われ、事案自体も約8割が3カ月以内に解決しています。
また民事調停の手続きは非常に簡便です。以下でご説明します。
ペットトラブルの場合の手続き方法
民事調停の申し込みは、相手の住所の裁判を担当する簡易裁判所に下記を持参します。
※相手のお住まいの地区の簡易裁判所は以下からご確認ください。
参照:裁判所 裁判所の管轄区域
申立書の正本と副本
これは民事調停の申立に必要な書類であり、申立を行う簡易裁判所の窓口に備え付けられています。特別な法律知識は不要で、記載事項に悩むこともありません。
正本には手数料分の収入印紙を貼ります。これは裁判所に提出されます。副本は相手方に送付されますので、申立の相手が複数いた場合には人数分の副本を記載します。
印鑑
申立人の印鑑です。実印でなくとも認印で構いません。ただシャチハタなどのスタンプ式の印鑑は利用できません。ペットトラブルの申立人が法人の場合には代表者印を持参します。
手数料と郵便切手
前述の手数料と郵便切手を持参します。
ペットトラブルの証拠書類の写し
話し合いの証拠となる書類のコピーを持参します。これを元に調停委員会にペットトラブルの詳細事項を説明します。
戸籍謄本または抄本
申立の当事者が未成年の場合には、3カ月以内に発行された戸籍謄本または抄本の原本を持参します。
法人登記事項全部証明書(履歴事項証明書)
この利用しやすい性質から民事調停は、さまざまな話し合いに利用されます。中でも特にペットトラブルの解決には非常に効果的です。