ペットトラブルで示談後に約束が守られない場合の4つの対処法
ペットトラブルにおける和解・示談の後、相手が約束を守らない場合があります。

その場合には、4つの効果的な請求方法を検討しましょう。

ここではペットトラブルの約束が守られない時の対処法について、詳しくご説明します。

この記事が、ペットトラブル解決のお役に立てれば幸いです。


約束が守られないときの4つの効果的な対処法

ペットトラブルにおける治療費の慰謝料の支払いなど、取り決めた約束が履行されない場合、以下の対処法が効果的です。

  • 内容証明郵便を利用した履行請求
  • 公正証書を基にした強制執行
  • 民事調停を利用した厳粛な話し合い
  • 民事訴訟を利用した強制的な支払いの請求
これらはそれぞれが特殊な役割を持ち、約束を果たしてもらう(履行を請求する)ために非常に優れています。

どの方法を選択するべきかは、「相手の態度・対応」「約束の内容」「事前に作成している書類」などにより変化します。

それぞれの特徴から、自身にあった選択肢をご選択下さい。


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状況に応じた対処法の選び方

内容証明郵便を利用した約束の請求

ペットトラブルの示談書・和解書では、お互いの約束(治療費の支払いや飼育の改善など)を守る「履行期限」を定めます。

期限を過ぎても約束が守られない場合、まず最初は「内容証明郵便」を利用した督促・催告が効果的です。

これは履行期限を定めていない場合にも、早急に約束を履行してもらうための請求として利用できます。

一般的に、この内容証明郵便による督促・勧告では、以下の内容を伝えます。

  • 履行期限を過ぎたこと
  • 守られていない約束の内容
  • 約束が履行されないことに対して、どう感じているか
  • 履行しない場合、こちら側にどうする意思があるか
この様に、内容証明郵便では「いつまでに」「何を」「どうして欲しいのか」「請求に応じない場合、どうする意思があるか」これらの意思を提示できます。
これは約束が守られないときの最初の請求方法として、非常に効果的です。

まずは約束を守るように相手に通知し、守られない場合は法的処置をとる意思がある旨などを記載することで、圧迫感の有る請求が可能になります。

また内容証明郵便は、他の手段と比較して費用も低額で、お送りする文面も柔軟に書く事ができます。

こういった側面から、期日内にキャンセルの申し込みをしなければならない場合(クーリングオフなど)にも広く利用され、相手方に手渡しされる側面から意思表示を確実に行った証拠として残すことができます。

ただし、その証拠能力の高さから利用時には慎重な判断が必要です。詳しくは以下の記事をご参照ください。

参照:ペットトラブルで支払いがない場合の催告書の書き方(文例付き)
  :ペットトラブルでの内容証明郵便の作成方法と送付マニュアル

公正証書を基にした強制執行

ペットトラブルの示談書・和解書を事前に「公正証書」にしている場合、地方裁判所に強制執行の申立てが可能です。

この場合、以下の点に注意しましょう。

  • 相手に差押えできる財産が存在すること
  • 治療費・慰謝料などの金銭の支払いの約束であること
強制執行を申立てたとしても、相手に対象の財産がなければ取り立てられません。事前に相手の取引先銀行や勤務先など、財産の調査をする必要があるでしょう。

また、裁判所による強制執行は金銭の支払い義務などのみが可能であり、示談で約束した飼育方法の改善などに関しては、公正証書による強制執行の対象になりません。

相手に守られていない約束が金銭の債務など、強制執行に適したものであるかご確認下さい。

参照:より安全な契約書作成に役立つ公正証書の役割と3つの効果

民事調停を利用した厳粛な話し合い

一度示談・和解が成立している場合、再度話し合いを行う余地もあるかもしれません。

そんな時、再度効果的な話し合いを行う方法に「民事調停」による話し合いがあります。

民事調停とは、当事者が簡易裁判所で締結した示談書・和解書を持参し、同席した調停委員会の前で話し合いを行い、解決策を提示してもらう制度です。

これは勝ち負けを決める裁判とは異なり、話し合いにおける合意を目的とする紛争解決手続きです。

トラブルの種類に応じた専門家が調停委員として同席し、お互いが話し合うだけでなく第三者の客観的な意見を聞くことができます。

当然、示談の約束を守らない相手にも言い分や理由があるでしょう。

簡易裁判所の厳粛な雰囲気で相手の言い分を伺い、公平な調停委員会が提示する解決策を検討すると良いでしょう。

これにより民事訴訟への発展を抑え、より穏便に解決されるケースも少なくありません。

参照:ペットトラブルを当事者で解決する民事調停の効果と手続き

民事訴訟を利用した強制的な支払いの請求

支払いの勧告・催告や話し合いを行っても、相手がなお約束を守らない場合、最終的に「民事訴訟」の手段があります。

これは、前述の内容証明郵便に記載する「法的処置」に該当します。

ペットに関する民事訴訟は、簡易裁判所にて裁判官が双方の言い分を聴き、証拠を調べ最終的な判決を出します。140万円以下の紛争事件について利用でき、140万円をこえる場合は地方裁判所で扱われます。

勝訴した場合、最終的な判決書または和解調書をもとにした、強制執行の申立が可能になります。もちろん、途中で和解することもできます。

これはペットトラブルの最終段階であり、裁判官に判断をゆだねる方法です。またその名称から、請求の際には心理的な圧迫感も期待できるでしょう。

この様にペットトラブルで相手が約束を守らない場合、様々な対応方法があります。

相手側の態度に応じた、最適な方法をご選択下さい。