犬・猫の里親譲渡を決める前に確認する3つの重要事項
より安全な、愛犬・愛猫の里親譲渡のために。

愛犬・愛猫の譲渡後に起きやすい、里親トラブル

そのトラブルの多くは、話し合い不足や詳細な取り決め不足が原因です。

では私たちはより安全な里親譲渡に向け、事前に何を確認するべきでしょうか。

ここでは犬・猫の里親譲渡の確認事項について、専門行政書士が詳しくご説明します。

※2017年9月27日更新

この記事が、安全な里親譲渡につながれば幸いです。


里親譲渡トラブルの種類

まず最初にペットの里親譲渡では、どのようなトラブルが発生しているのでしょうか。

譲渡理由と同じようにトラブルにも理由があり、里親譲渡トラブルには、大きく分けて以下の原因が存在します。

里親譲渡トラブルの例
里親譲渡トラブル
準備不足」「人間関係のトラブル」「金銭・法的トラブル
この様に、里親譲渡トラブルには様々な種類が存在します。

その例を挙げれば、「譲渡後にペットへの愛情が再燃し、返して欲しくなった」「里親の飼育方法が納得いかない」など、元親様の感情に起因する部分が多く見られます。

もちろん「経済的な余裕がなくなった」などの里親様側の問題もあり、これらは譲渡時には見えなかった原因によるものが多く見られます。

そして各トラブルの解決には、多くの時間と労力が必要になるでしょう。

ただし、それらのトラブルの多くはペットの譲渡契約書を交わすことで回避できます。そのためまずは、適切な譲渡契約書を交わすことをお勧めします。

そして今回の記事では、さらに里親譲渡を安全にする要素を確認しましょう。

それが「里親譲渡自体の安全性」です。これは里親譲渡時の譲渡条件だけでなく、譲渡自体が、経済的・環境的に可能であるかどうかを見極める、重要な要素です。

まず本記事の目的は、譲渡条件や譲り渡しの方法を安全にすることだけではありません。里親譲渡自体に問題がないかを確認することであり、これらはより安全な里親契約の基礎となるでしょう。
本記事の目的

では実際に、里親譲渡自体の安全性はどんな点から判断するべきでしょうか。ここからはその確認方法を、詳しくご説明致します。

里親譲渡の安全性を確認するには

まず、里親譲渡自体の安全性を確認するには、以下の項目があります。これら3つの要素は、一つ一つが重要な役割を持ちます。

少し細かな内容ですが、是非ご覧ください。

里親譲渡自体の安全性(2)

そしてこれらの多くは事前に確認しやすいため、譲渡時のお話し合いの時にご確認ください。

では、それぞれの項目を細かく確認してみましょう。

1. 譲渡は安全か

まずは里親譲渡自体の安全性を確認しましょう。これは主に里親と元親の人間関係や、里親譲渡をスムーズにする要素を含みます。

必ずしも里親と元親が顔なじみであるとは限りませんので、ペット飼育に関する考え方から伺うと良いでしょう。その場合には、以下の質問が効果的です。

元親に対する確認事項

  • どんな経由でペットを飼い始めたのか
  • なぜペットを譲渡するのか
  • 本当に所有権を持っているのか

里親に対する確認事項

  • どんな理由でペットを飼い始めるのか
  • 飼育環境は、一般的な水準を満たしているか
まず里親・元親へのこれらの質問は、どこまで真剣に里親譲渡を考えているか、という点の確認です。

その中でも、里親・元親それぞれの譲渡・譲り受け理由をご確認下さい。

例えば里親様の譲渡理由が、「一時的に飼育が出来ない環境だから」というのであれば、後日の返還を請求される可能性もあります。不明点・不安点は譲渡契約書で明確に定めるなど、予防策を講じましょう。

「旦那とケンカをしたから、旦那に懐いているペットをそばに置いておきたくなかった」など、感情的な理由もあります。ペットの譲渡理由はさまざまですが、納得のできる理由を伺いましょう。

この際、時間の経過とともに譲渡理由が無くなるケースには、注意が必要です。「半年間だけ出張に行かなければならない」という理由の場合、半年後にペットを返還してもらうつもりかもしれません。
また里親譲渡では、先入観としてペットを所有している方から譲り受けると考えます。

しかし元親に詳しく伺うと、「先週この子を拾ったので、新しい飼い主を見つけてあげたいと思った。」と仰られる場合もあります。その場合、そのペットの所有権をまだ取得していない可能性も高いでしょう。

まずは元親が確実にペットの所有権を所有していることを確認し、譲渡契約書にて所有権の移転を明確に示しましょう。

また里親・元親詐欺を予防するために、以下の項目もチェックしましょう。

  • 里親・元親の身分証明書
  • 住所・緊急連絡先
  • 携帯電話にその場でつながるか
悲しい話ですが、ペットを虐待目的で譲り受けるケースや、ペットの放棄を目的とする譲渡もあります。真剣な里親譲渡のためにも、身分確認と連絡先の確認は必ず行いましょう。

2.譲渡は可能か

次に、譲渡が物理的に可能かどうかを見極めましょう。

将来的なトラブルを回避するためには、下記の内容を確認すると良いでしょう。

  • いつペットを譲渡するか(所有権移転日の指定)
まずは所有権の譲渡日を定めましょう。

その所有権移転日をスタート地点として、受け渡しができるか、飼育環境を整えられるか、経済的な負担が可能になるのか、という点をはっきりとさせておきます。

譲渡日は「○月○日」とするか「仮の里親期間終了後」とするか、その指定方法はさまざまですが、明確な譲渡日を定める必要があります。

譲渡日(所有権の移転日)を定める事で、トラブル発生時にはどちらが責任を果たすべきか明確になります。「あげたつもりはない」など話の蒸し返しも防げるでしょう。

また、本譲渡の前にお試し期間を設けることも効果的です。これは里親が本当にペットを飼育できるか判断するための、重要な時間です。

と言うのも、実際にペットを飼育してみると以下が明確になります。

  • 先住犬・先住猫との相性に問題はないか
  • 里親にアレルギー症状は出なかったか
  • 経済的に今後も飼い続けられそうか
これらの飼育上の問題は、物理的に譲渡が出来ない状況になり、ペットの返還理由になりかねません。
仮の里親期間を設定することで、これらの問題点を事前に確認できます。仮里親期間の設定では、トライアル期間(お試し期間)の設定と、その間の所有権・ペットに対する責任の所在を明確にしておきましょう。
その場合「○月○日から○月○日までをお試し期間とし、この期間は所有権は元親にある」このように記載すれば効果的です。
また、ペットに持病がある場合には、今までの飼育方法を書面でお渡しして、ご近所間であれば、かかりつけの動物病院などにも所有権の移転をお伝えしておきましょう。

同時に写真での状況報告・定期連絡や訪問の方法など、人間関係を考慮した柔軟な条件を設定しましょう。

では最後に、所有権の移転譲渡条件を証拠に残すため、以下を確認しましょう。

3.証拠は残せるか

最後は、譲渡の証拠を譲渡契約書として残せるかを確認しましょう。

里親譲渡書に記載される「譲渡日」「譲渡条件」「ペットの名前」「現所有権者(里親)」これらは、トラブルを回避するための大切な記録です。

そのため、譲渡時に譲渡契約書を締結していただけるか、事前に確認しておきましょう。

また同時に、譲渡契約書には以下の役割もあります。

これらの点を相手の方にご説明することで、譲渡契約書の意味合いをご理解いただけるのではないでしょうか。

  • 飼い主の自覚を芽生えさせるため
  • 責任の所在を明確にするため
  • 所有者を明確にするため
ペットの飼い主登録やペット保険の加入時など、ペットの飼い主様(所有者)による手続きが必要な機会もあるため、譲渡契約書には譲渡日(所有権の移転日)を必ず明記しましょう。

譲渡書類はご自作されるか、お近くの法律事務所で二通ご作成いただき、署名・押印をした上で各自がご保管ください。当事務所でも作成を承っておりますので、お気軽にご連絡下さい。

~ お読みいただき、ありがとうございました ~

安全な里親譲渡には本人確認譲渡条件の設定証拠保全、この3点が重要です。

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