ペットの共同飼育
一度譲渡した愛犬のことが忘れられない。

可能ならば返還していただきたいが、難しいならば共同で飼育させていただきたい。

ここでは一度譲渡した犬に対する共同飼育の提案について、詳しくご説明します。

この記事が、より良いペットライフのお役に立てれば幸いです。


譲渡した犬の共同飼育の提案とは

このケースは譲渡契約書を締結している・していないにかかわらず、愛犬を譲渡した後のお話です。

一度は譲渡したが、やはりどうしても返還して欲しいと思うことは少なくありません。ただし既に譲渡しているため、愛犬の所有権自体は移行していると考えられます。

譲渡契約を正式に締結されている場合、返還を求めるためには譲渡契約上の違反事項を指摘する必要があります。

そして譲受人が大切に飼育しているのであれば、譲渡契約の違反を理由に返還を求めることは難しいでしょう。

この際、愛犬の返還を求めるには、新しい譲渡契約の締結が必要です。もう一度譲渡契約を締結し、そして返還していただくための合意を得る必要があります。

ただ、実際には譲渡先でも愛着が生まれている飼い犬に対して「やはり返還して欲しい」と申し出ることは、非常に難しいでしょう。

その時に選択されるのが、飼い主様に対する「共同飼育の提案」です。

返還を主に求めるのではなく、時に散歩に連れて行ったり飼い主が飼育できない場合には返還してもらうなど、飼い犬の飼育に携わらせていただく方法です。

この共同飼育の申し入れは、相手の方に対してご自身のお気持ちをしっかりとご理解いただくことが必要です。

そして法的に共同飼育をお願いするのではなく、個人間の契約として申し入れる点にも注意が必要です。


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効果的に応じていただくポイント

共同飼育の申し入れには、以下の点を注意しなければなりません。

まずはお話し合いに繋げるためにも、相手の感じ方に対する配慮が必要です。

相手の方が不安に思う内容

  • 一度譲渡した過去があるので、再度の申し入れに少し信頼できない
  • 共同飼育と称して、返還されない危険を危惧している
  • 飼育費用はどちらが負担するのかを定めたい
  • 頻繁に生活環境を変える場合、愛犬への負担が心配
  • 散歩時や飼育時の責任の所在など、不透明な部分が多い
共同飼育の申し入れには、相手のこれらの不安を解消する提案を行う必要があります。

そしてお願いする共同飼育の条件を順々に緩和していくなど、応じていただきやすくするためには様々な配慮が必要です。

以下は一般的な共同飼育の申し入れ手順です。

これらに加えて、個々の状況や相手の反応に応じた進め方を選択しなければなりません。

共同飼育の申し入れ手順

  • 1. 譲渡先に挨拶に伺う
  • 2. 愛犬に対する今のお気持ちを伝える
  • 3. 譲渡犬の散歩など、小さなご要望から伝える
  • 4. 共同飼育を希望する意思を伝える
  • 5. 共同飼育にする飼育費用の負担などの譲歩内容などを伝える
  • 6. ご理解いただくまで誠意をもってお願いする
  • 7. 共同飼育の内容を記載した書類を締結する
これらの前提として、一度のお願いではなかなかご理解いただけないということです。

多くの場合が一度は断られ、根気よくお願いをすることで共同飼育を認めていただきます。

そして前述のように話し合いは法的な根拠を元に行うのではなく、あくまでもお願いの側面が強いでしょう。

そのため話し合いの場では、以下の心理的な配慮が効果的です。

  • 共同飼育に応じていただけない場合、だんだんと提案条件を緩和する
  • 相手方の飼育方法に対して異論を唱えない
  • 頻繁に話し合いを求めるなど、ご迷惑になる行動は慎む
  • 初期段階から契約書などの締結を求めない
  • 最終的に時間がかかる前提で進める
円満なお話し合いを行うためには、同時に人間関係を良好にする必要があります。

繰り返し行われるお話し合いの中でも、少しづつこちらのお願いに耳を傾けていただける配慮が必要です。

そのため、相手の方の現在の飼育方法や考え方に対する意見は控え、話の論点がずれないようにしなければなりません。

そしていかに自分がそのペットのことを考えているのか、と言う点もアピールしなければなりません。

そのアピール方法には、話し合いの初期段階で内容証明郵便を使用し、その旨を伝えるなどの方法があります。

ご自身のお気持ちを文面でお受け取りいただけることで、その後のお話し合いにおける印象が大きく変わります。

いかに愛犬・愛猫の将来を考えているのか、お願いに応じていただけた場合、こちら側にはどのような意志があるのか、相手の方の考え方に沿った最適な文面をご作成下さい。

これは一般的な内容証明郵便とは異なり、請求ではなくお願いの側面を強めた文面になるでしょう。