絶対避けたい!愛犬を迷子にしない3つの有効な対策法

新しくわんちゃんをご家庭に迎える際には、様々な手続きをしなければなりません。

狂犬病予防ワクチン注射・混合ワクチン注射・飼犬登録などの義務化された手続きや、病気から守るための手続き。

かかりつけになる動物病院や飼育方法の確認等、しなければならないことは山盛りです。

その大切な対策の一つに『ペットが迷子にならないための対策』があります。
大切な家族の一員が迷子になり途方に暮れる事のないよう、是非ご一読頂きたいと存じます。

迷子は殺処分や所有権の喪失の危険も伴う、とても危険な状態

厚生労働省HPには、下記3点が犬の飼い主に法律で義務付けられています。 

(1) 現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
(2) 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
(3) 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

引用元:厚生労働省

この鑑札にはわんちゃんの登録番号が明記されており、これにより所有者を確認することが出来ます。
ペットは法律上『』として扱われ、この鑑札のない迷子犬は『遺失物』として扱われます。

つまり鑑札を装着していない状態は、所有者の不明な『遺失物』として扱われる、非常に危険な状態と言う事です。狂犬病予防注射済票を装着していない状態で保護された場合も、都道府県等の狂犬病予防員により保健所に抑留されます。つまり法律に着用の義務があるものに関しては、所有者と安全性の証明のためにも必ず装着をしなくてはなりません。

そして所有者が不明なわんちゃんが保健所に保護された場合、数日以内に殺処分が実施される危険があります。普段わんちゃんが嫌がるために装着を控えている場合、非常に悲しいケースも考えられます。わんちゃんが迷子になった際に迅速に保健所等に確認できるよう、鑑札に表記されている登録番号は携帯電話など、すぐ確認できる場所に事前にメモしておくことが宜しいかと存じます。

また鑑札及び注射済票は平成19年より各市区町村ごとに自由な形式が認められるようになりました。
そのため市区町村のサイズによっては首輪のサイズに合わないものも存在します。
事前にサイズを確認したうえで、わんちゃんに合った鑑札・注射済票を装着できる首輪をご購入されるのが宜しいでしょう。


わんちゃんの予想外の移動に備えて迷子札の装着を

犬種とサイズにより一日の移動距離は様々です。目安として小型犬なら約300m~1km程度、中型犬ならは約1~5km程度、大型犬なら約1~5km程度とされています。迷子になったわんちゃんはこの距離を東西南北、自由に移動する恐れがあります。

そこで問題になるのが鑑札の有効範囲です。鑑札には管轄がありますので、その管轄外での保護の場合に備えて『迷子札』を必ず装着しておきましょう。『迷子札』には所有者の方の連絡先を明記し、保健所による保護だけでなく一般の方が保護して頂いた場合にも連絡が取れるようにしておきましょう。

また連絡先は出来るだけ『表面』に書いたほうが良いかもしれません。わんちゃんが保護してくれた方を警戒し、なかなか体を触らせない場合もあり、その場合には保護して頂いた方に裏面まで注意深く見ていただける可能性が低くなるからです。保健所で保護された場合にも、迷子札の裏面まで必ず確認していただける保証も有りませんので、重要な連絡先などは視認性の高い『表面』への記載をお勧めいたします。

迷子札の装着グッズは市販されておりますが、特に下記の事項を留意されるのが宜しいのではないでしょうか。
■ 防水性があり、かつ摩耗などにより迷子札が欠落しない耐久性に優れているタイプ
■ 激しい運動でも容易に外れないタイプ
■ いたずらにより取り外されてしまわない、ロックがかけられるタイプ
■ 鑑札等も併せて保管できる場所を備え付けているタイプ

一般的に迷子札は首輪に装着しますので、首などに当たって傷がつかず、あまり締め付けすぎないなどの配慮も必要になります。特に『激しい運動でも容易に外れない』などの条件は締め付けが強い場合には、わんちゃんへの負担も多いのでバランスも考える必要があります。

特別注文が可能なショップ様もいらっしゃいますので、是非ネットなどで確認してみてください。

様々な迷子対策のグッズを用意する

上記の対策に加えて、別途迷子対策のグッズを揃える事も有効です。

マイクロチップの挿入

マイクロチップとは直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具です。内部にIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。中には15桁の番号が記録されており、この番号を専用のリーダーで読み取ることでわんちゃんの個体情報を確認することが出来ます。

本来特別動物や特定外来生物の飼育のために義務付けられているものですが、現在では世界中で確実な個体確認の手段として浸透しています。
海外からのわんちゃんの持ち込みや海外へ連れて行く際にも、このマイクロチップを使った個体識別が行われます。国によっては持ち込みに関してマイクロチップの埋め込みを必須条件としている国もあります。

このマイクロチップは電池不要で半永久的に使用可能であり、一般的にわんちゃんの首の後ろに注射で挿入します。痛みも通常の注射と同様であり、わんちゃんの場合、生後2週間から装着可能とされています。費用も数千円程度で動物病院の獣医師様により装着を行ってくださいますので、お近くの動物病院にお尋ねください。

マイクロチップの読み取り機は全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに設置されていますので、迷子になって保護された場合にも個体識別により所有者の情報と照合され、飼主様に戻ってくる可能性が格段に上がります。個人の方でマイクロチップの読み取り機をお持ちの方は少ないでしょうから、迷子札との併用でより安全性が高まります。

またマイクロチップ挿入後にはAIPOなどのマイクロチップによる犬、猫などの動物個体識別の普及推進を行っている組織等への登録をお勧めします。 AIPO:『Animal ID Promotion Organization (動物ID普及推進会議)』

ご自宅や犬小屋などの監視カメラを設置する

わんちゃんが迷子になった時間などを確認するために、監視カメラなどを設置する事も有効です。
迷子になった時間から現在の移動範囲を推察する事や、その原因なども確認できます。

迷子であったと思っていたけれども、実際には価値のあるわんちゃんを狙った連れ去り事件であったケースも散見されます。
あまり考えたくない事ですが、迷子の原因により飼主様が取るべき対策も変わってきます。

このようにわんちゃんの迷子対策は年々と進化してきています。既にオーストラリアのTractive社では放浪癖があるわんちゃんのGPSサービスを提供されているとの事ですが、日本でも手軽に出来るわんちゃん専用のGPSサービスが普及する事を願っています。