飼い犬同士のケンカでの過失割合を判断する8つの確認事項
ドックランでの飼い犬同士のケンカや、散歩時のケンカによる噛みつき。

飼い犬同士の噛みつき事故では、飼い主の過失割合(不注意の割合)が問題になります。

ここでは飼い犬同士のケンカでの過失割合について、詳しくご説明します。

この記事が、ペットトラブル解決のお役に立てれば幸いです。

飼い犬同士のケンカにおける責任

飼い犬同士のケンカでお互いがケガをした場合、民法718条の動物の占有者等の責任が論点になります。

第718条 (動物の占有者等の責任)

動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。

まず飼い犬同士のケンカでは、どちらの飼い主の過失割合が高いか、その点が焦点となります。
飼い犬同士のケンカは飼い主同士による示談・和解で治めるケースが多く、その場合は当事者が同士がお互いの過失割合について話し合います。

この際、お互いが感情的に相手の過失を指摘してしまい、話し合いも難航しやすくなります。

そのため過失に関する、以下の判断材料を参考にする必要があります。


過失割合を判断するポイント

まず、過失割合(どちらの落ち度が大きいか)を数値化することは非常に難しく、時に感情的な言い合いになりかねません。

その場合、以下を話し合うことで比較的スムーズな話し合いが可能です。

過失割合に大きく関わるもの

  • 首輪・リードを外していないか
  • 飼い犬から目を離さなかったか
  • 飼い犬をけしかけていないか
  • 敷地への無断立ち入りではないか
これらは噛みつきを未然に防ぐために、飼い主に求められる留意事項です。

上記に当てはまる場合、飼い主としての過失責任は大きくなり、過失割合に応じたケガの治療費負担や慰謝料の支払いを求められます。

過失割合に少なからず関わるもの

  • 最初にどちらの飼い犬が噛みついたか
  • 最初にどちらの飼い主が制止したか
  • リードの持ち方・長さは適切だったか
  • 飼い犬のサイズを危険視していたか
大きな過失だけでなく、上記の細かな留意事項にも目を向けましょう。

これらの点を話し合っても、お互いが注意していた上でケンカが起きてしまった場合、治療費を折半した決着が多くみられます。

ただ、稀に自身の非を認めず、治療費全額に加え慰謝料を請求する飼い主もいます。

その場合、私たちは飼い主の高圧的な態度や一方的な言い分に動じず、相手に必要な請求を行わなければなりません。

参照:飼い犬に噛まれたらどうするの?話し合いから和解までの手順マニュアル

次にドックランペット交流会にて発生した噛みつきもあります。

ドックランなどのノーリードが基本の場所においても、他の犬との相性を確認するマナーが求められます。

ドックランの利用規約や、交流会の主催者による注意喚起にも配慮していたか、これらが判断材料となるでしょう。

前述のように、飼い犬同士の噛みつきにおける過失割合は数値化が難しく、話し合いによる決着が大半です。

互いに大きな過失が見られない場合、ケガの治療費を折半した上で和解書(示談書)の作成・押印をお勧めします。