愛犬の散歩中、多くの人とすれ違います。
そして愛犬から目を離した時に起きやすい「あなたの犬に噛まれた。」「治療費と慰謝料を支払え」という不当請求。
ここでは愛犬の噛みつきに対する不当請求について、詳しくご説明します。
この記事が、ペットトラブルの解決につながれば幸いです。
噛みつきへの不当請求の特徴と注意点
愛犬による噛みつきが不当か正当であるか、その判断は困難です。
「飼い犬がじゃれただけ」という飼い主の言い分と「知らない犬に噛まれた」という被害者の言い分、同じ事象に対しても感じ方は大きく異なります。
ただ噛みつきに対する不当請求の場合、一定の特徴を持ち合わせます。
噛みつきに対する不当請求には、一般的に以下の特徴があります。
- 飼い主が見ていない時に発生する
- 飼い犬が吠えていない、興奮していない
- 噛みつき直後の跡を見せない・写真を撮らせない
- その場からすぐに離れようとする
- 診断を受ける病院を指定する
- 執拗に住所・連絡先を訪ねてくる
- 自分の氏名、住所、連絡先を開示しようとしない
- 健康保険に加入しておらず、示談を薦めてくる
またその場合、噛みつきに関する治療費の請求にも以下の特徴が見られます。
- 噛みつき跡がうずくなど、数値化が難しい部分の治療費請求が多い
- 高額な慰謝料を請求する
- 「保健所へ連絡する」「殺処分して貰う」などの意思表示を頻繁に行う
これらはあくまでも特徴であり、必ずしも全てが不当請求の条件ではありません。
ただ、これらに類する事象の場合、注意するに越したことはないでしょう。
実際に不当請求かどうかはご自身で判断しなければならず、私たちは適切な対処法を選択しなければなりません。
効果的な対処法
噛みつきの治療費・慰謝料の不当請求には、以下の対処法が効果的です。
噛みつき直後にするべきこと
- 必ず相手の住所・氏名・連絡先を伺う
- 噛み傷を確認し、写真に撮らせてもらう
- そのまま病院に同伴し、医師の診断を受ける
- 実際に噛みついている場合、治療費の実費を算出する
- ワクチン証明書などを速やかに用意し、提示する
- そのまま別れず、必ず原因をはっきりさせておく
- 飼い主から保健所などに連絡をする
多くの不当請求では「噛みつき傷・跡が確認できない」特徴があります。
また、噛みつき傷が治ったあとは、ケガの原因が特定しづらくなり、また本当に噛みついたのか、判断が難しくなります。
そのため噛みつき事故(もしくはすれ違っただけ)から時間が相手から治療費等を請求される場合もあります。
必ず時間を空けず、その傷の直接の原因が何なのかを明らかにしましょう。
また、飼い主は噛みつきに関する手続きを迅速に行い、保健所へ被害者から連絡が行った場合にも、事態が深刻にならないよう努めましょう。
その後にすること
- いずれかの保険を適用する意思を伝える
- 噛まれていないと判断した場合、診断書・写真の送付を請求する
- 示談書・和解書を作成し、差し入れる
- 示談書に支払いの上限を設定する
- 治療費の実費を支払う
噛みつき後には話し合いの場を設け、将来的に不用意な請求を受けないようにしましょう。
これにより後日「古傷がうずいて仕事にならない」などの請求を退けることができます。
ただ、そのためには「将来的な請求を行わない(免責事項)」の一文を加えた示談書・和解書の締結をお勧めします。
また治療費・慰謝料請求だけを求め、かたくなにケガを見せない場合もあります。
その場合は、以下の意思を内容証明郵便などで伝えることが効果的です。
- ペット保険の適用のために、診断書を求める(保険加入時)
- 一般的な治療費・慰謝料をこちらから提示する
- 現在のケガの跡を確認するため、病院に同伴して欲しい
- 根拠のない請求として、民事調停や裁判に応じる意思がある
この様に話し合いだけではなく、法的な根拠を元にした文書による意思表示を伝えることで、相手の出方も変わるでしょう。
感情的な誹謗中傷を受けた場合、録音などの方法も効果的ですし、また誹謗中傷を受けたことを別件として、内容証明郵便にてお伝えする方法もあります。
ただしその場合、争いの側面が加熱しますので、慎重な判断が必要です。
また、「見知らぬ人に飼い犬を近づけるべきではなかった」と一つの教訓として捉え、請求に応じて支払い、普段の生活を取り戻すことも一つの選択肢でしょう。
その場合にも不当な追加請求を受けないよう、必ず和解書・示談書を作成することをお勧めします。