ペットサービスの選び方
ときに大きなケガや、ペットの死亡事故にもつながるトリミング。

サロンの規模やトリマーの方の考え方などにより、サービスの質には大きな差があります。

そしてサロンの運営方法を確認すれば、より安心できるサロンを選択できます。

ここでは安全なペットサロンの選び方について、詳しくご説明します。

この記事が、皆様のお役に立てれば幸いです。


ペットのトリミングサロンで必ず見るべき確認点

まずは必ず確認するべき点です。

運営上の確認点

  • 動物取扱業登録証は掲示されているか
  • 動物取扱責任者は配置されているか
トリミングサロンの開業には「動物取扱業」の許可が必須です。それに伴う動物取扱業登録証の掲示は必須です。同様に動物取扱責任者の配置も、義務化されています。

自宅・出張で行われる無許可のトリミングもありますが、義務を順守することはサービスの基礎です。信頼できるサロンを選びましょう。

トリミングサービスの質を判断する確認点

次にトリミングの質を左右するチェックポイントです。実際に利用された方は、下記の点が重要だと判断しています。

受付時のチェックポイント

  • 料金は内訳まで明確か
  • カットコースにカット箇所が明記されているか
  • ペットの性格や普段の様子を聞いてくるか
  • 混合ワクチンの証明書を求めてくるか
料金はペットのサイズと種類ごとに明記されており、内訳もシャンプー○○円、カット〇〇円、と明確にされているでしょうか。カット後に追加料金を請求されることのないようにしましょう。

カットコースも「スタンダード」などが一般的ですが、具体的にどの箇所をカットするか書かれていること。個別に具体的な指示ができるトリミングサロンは、それだけで価値があります。

トリミングにはペットの性格や普段の環境が大きく影響します。トリミングに過剰な反応をするペットも少なくありません。

そのため、トリミング前にペットの性格や普段の様子を確認し、トリミング時の反応を予想し、時にはお断りする運営であることも重要です。

また、受付時に1年以内の混合ワクチンの証明書を求められるサロンが大半です。これはパルボやジステンパーなど、犬の死に関わる感染症を予防するためです。

このワクチン証明書の提示に関しては「1年以内の接種はオーバーワクチンである」との意見もあります。ただ個人的には、多数の犬を扱う場所に求められる、必要な配慮だと考えます。

利用する側としても、感染症を危険視する運営をしているサロンの方が良いでしょう。

次にサロンの様子はどうでしょうか。

店内のチェックポイント

  • 店内は衛生的か
  • 外からトリミングの様子が確認できるか
  • トリミングのみを専門としているか
店内の衛生環境は最も重要です。

利用するペットがノミや病気を保有しているケースがあります。トリミングに使用する器具の消毒をこまめに実施しているか、消毒済みの器具を分類しているか、見える範囲で確認することも大切です。

実際に、トリミングサロンの営業に必要な「第一種動物取扱業者(保管)」の「飼養施設等の維持管理等に関する事項」では、1日1回以上の清掃の実施が義務付けられています。

ただ、実際のトリミングの現場では、その回数ではとても間に合いません。こまめな清掃を行っているか、初回に確認してみましょう。

次に、ガラス張りなど、トリミング中の様子が確認できる場所を選びましょう。

トリミングに関するご相談の大半が「ペットのトリミング中」のケガです。なかには、飼い主がトリミングの様子を確認できていたら、防げたのではないかと思われるケースもあります。

また動物病院やペットショップが併設されているサロンもあります。

その場合、トリミング中に急きょ別の業務を行うこともあります。長時間にわたるトリミングはペットにとっても負荷がかかり、さらに終了時間もずれ込み、飼い主の引き取りのタイミングにも影響します。

トリミングのみを行っている、もしくは専属のトリマーがいる場所であれば、この心配はありません。

次にトリミングの様子はどうでしょうか。

トリミング時のチェックポイント

  • 施行スタイルが愛犬に合っているか
  • 気づいた様子などを教えてくれるか
トリマーの方により、トリミングの方法やペットの扱いもさまざまです。

トリミング中に暴れるペットに対して苛立ちをだすトリマーの方もいれば、ペットを怖がらせてしまった自分が悪い、とお考えになる方もいます。中には「初回のトリミングでは、仲良くなるため時間がかかります」と、あらかじめ説明してくれるトリマーの方もいます。

これはトリミングを実際に見て感じとる感性です。うちの子には合わない、と感じたら別のサロンを探しましょう。

また経験豊富なトリマーの方は、ペットに関する知識も非常に豊富です。トリミング中に気づいた皮膚の質感、毛質から「○○ちゃん、体調が悪いかも?」とアドバイスをもらえることも。これは、長年担当している場合に多くみられます。

トリマーは獣医師の触診と同様、犬の皮膚を直に触ります。第三者から感じる「気づき」により異変を察知することも少なくありません。

  • シャンプーに対するこだわりがあるか
  • トリミング後のカルテを書いてくれるか
  • トリミングの経験はどのくらいか
  • ライセンスはお持ちか
一般的なサロンではシャンプーの回数は1、2回です。

ただ、実際にトリマーの方によると、ペットの皮脂汚れは1回や2回のシャンプーでは落ちないとのこと。シャンプーの回数や方法をペットにより適宜合わせる、そういったサロンは高評価だと思います。

なかには愛犬の皮膚に合ったシャンプーを提案していただける所もあります。

またトリミング中の様子や気づいたことをカルテにしてくれるサロンもあります。できものがなかったか、毛並はどうだったか。自宅での簡単なカット方法や、苦手な行動などのアドバイスはトリマーの方に特有の、優れた視点です。
次に、ペットの種類や流行の数だけトリミングの方法にも種類があります。そのため経験豊富なトリマーは、さまざまな犬種・猫種のトリミングを経験しています。ご自身のペットの犬種・猫種のトリミングを経験されているか、単刀直入に伺うことも大切です。
そして最後にライセンスの有無です。

一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では、技術と経験のレベルに応じて「師範」「教士」「A級」「B級」「C級」の5種類の公認トリマー資格が発行されています。

これらもトリミング技術の判断材料になります。ぜひご確認下さい。