愛犬・愛猫に沢山の子供が生まれた時、保護猫ちゃんに新しいご家族様が見つかった時。

新しい飼い主様に犬・猫の将来を託し、里親譲渡・譲渡契約書を締結します。

ただその契約書がネットで無料配布されている譲渡契約書だったことで、思わぬトラブルが頻発しています。

これは当事務所が実際にご相談を頂いた、里親譲渡・譲渡契約書のトラブル事例です。(※本人許可済み・個人情報の観点から詳細は変更

これは非常に多くみられる種類の里親譲渡トラブルであり、同時に未然に防ぐことが出来た可能性が高いペットトラブルと言えるでしょう。

ネットでの出会いから始まった里親譲渡

まず本ケースはネットで猫の里親をお探しになり、遠方にお住いの方に猫ちゃんを里親譲渡することになった方のお話です。

里親様と元親様にはご面識はなく、何度かメールとお電話にてやり取りをしただけのご関係でした。

ただお話をお伺いすると既に猫をご飼育されたご経験もあり、会話の中でも猫ちゃんに関する深い知識をお持ちのご様子。

里親様の人当たりも良く、一戸建てにお住まいだということで、きっと猫ちゃんを大切に飼育してくれるだろうと、里親譲渡をご決意されました。

里親譲渡

数週間のお話の中で具体的な飼育方法を話し合い、口約束ではあるけれども、元親様が望む『完全室内飼育』を行っていただく事もご承諾いただきました。

同時に元親様が理想とする飼育環境をお伝えになり、可能な限りその飼育環境に近い環境でご飼育頂くこともお約束頂きました。

後日実際にお会いして里親譲渡を行い、譲渡契約はネットで無料配布されていた譲渡契約書(ペ〇トのおうち)でご締結。

完全無償譲渡ということもあり、必要書類(ワクチン接種証明書)等や愛用の玩具やゲージをお渡しし、無事に里親譲渡をご完了されました。

譲渡条件とは異なる実際の飼育環境

その数週間が経ち、元親様は里親様に現在の飼育環境猫ちゃんのご様子をお尋ねになりました。

現在の飼育状況を確認させていただく事は譲渡条件には含まれていませんでしたが、里親様はいつも通り人当たりも良く、現在の猫ちゃんの飼育状況を教えてくださいました。

ただその飼育状況は、当初お約束した飼育環境とは明らかに異なるもの。完全室内飼育でもなければ、一戸建てのご自宅での飼育でもありませんでした。

同時に先住猫との相性があまり良くないらしく、今現在はネコちゃんの再譲渡も検討しなければならない状況だということ。

いわばそれは元親様が理想とする飼育環境とは大きく相違した、譲渡条件違反とも言える飼育環境だったのです。

猫の飼育放棄

無料の譲渡契約書が生んだ様々な問題

では今回の里親譲渡に際して、元親様はどのような対処が可能でしょうか。

里親様とはいまだ冷静にお話しできる状態であることから、重篤なペットトラブルとは言えませんが、それでも十分慎重に進めなければならないご事案かと存じます。

まず現状の問題点は、以下の通りです。相手様(里親様)のご感情も加味しつつ、これらの問題点を熟考していくことで、より良い状況へと改善できるのではないでしょうか。

  1. 譲渡条件を順守すべきと里親が認識していない
  2. 口約束を守っていない(意識の差)
  3. 返還を主張できる契約書を交わしていない

一つ一つ見てみましょう。これらの問題点は、皆様の里親譲渡にもきっと重要な要素ばかりです。

譲渡条件を順守すべきものと里親様が認識していない

まず現状一番の問題点は、里親様が譲渡条件を『絶対に守らなければならないもの』だと認識していないものです。言い方を変えれば、『守らなくても問題ない』と、少なからずお考えだということです。

それは『守らなくても返還しなくて良いから』とお考えだからかも知れませんし、『実際に返すことになっても良い』とお考えだったのかも知れません。いずれにしても里親様と元親様に、大きな意識の差があったと言えるでしょう。

この問題を引き起こした最大の理由は、厳粛な譲渡契約を締結できなかったことが上げられます。単刀直入に言えば、口約束で譲渡条件をお伝えになったことや、細かな取り決めが記載されていない無料の譲渡契約書を使ってしまったことも一つの要因と言えるでしょう。

口約束を守っていない(意識の差)

前述の問題点と少し重複してしまいますが、口約束を守っていないことにも、元親様と里親様の大きな意識差を感じます。元親様としては『絶対お守りいただきたい条件』とお考えであっても、里親様としては『元親様の要望の中の一つ』程度にお考えなのかも知れません。

そしてこの意識差こそ、大きなペットトラブルを生み出します。里親譲渡トラブルから感情トラブルへと発展してしまう、最も注意すべき問題点となり得ます。

口約束は確かに法的には有効です。ただその性質上、条件を付ける側(今回は元親様)と受け入れる側(今回は里親様)の間に、大きな感情の温度差が生じます。

そしてその温度差こそ、言った言わないのトラブルの最たる原因。同時に里親譲渡では正式な譲渡契約書を必ず交わすべきだと、私達専門の行政書士が確信している理由となります。

譲渡契約書に書かれるものは、文字です。感情や意識の差が生まれにくい、最も平等に物事を判断できる確固たる証拠です。

下記の譲渡条件を守らなかった場合、甲は乙に譲渡猫を返還する』と明確に記載された譲渡契約書には、法的な効力だけでなく、契約当事者に『守らなければならないもの』という強い意識を芽生えさせます。今回の里親譲渡では、細かな譲渡条件を全て網羅した完璧な譲渡契約書が必要だったと言えるでしょう。

返還を主張できる契約書を交わしていない

これも前述の条件と重複してしまいますが、『下記の譲渡条件を守らなかった場合、甲は乙に譲渡猫を返還する』と明確に書かれていない譲渡契約書を交わすべきでした。里親様と元親様の御話し合いは、ここからお願いレベルになってしまう可能性があります。

元親様が強く言える立場にいなければ、飼育改善を申し入れたとしても、なかなかうまく受け入れていただけないでしょう。なぜならいかにそれが飼育放棄に見えたとしても、それが『里親様が思う理想の飼育方法』かもしれないからです。

里親譲渡における譲渡契約書の重要性

猫ちゃんを完全室内飼育される方もいらっしゃれば、毎日人間と同じ食事(残り物)をする、完全外飼いのワンちゃんもいます。飼い主様によって飼育方法は様々であり、その飼育方法が違法でないのならば、それを改善するように第三者様が主張することは必ずしも正しいとは言えないでしょう。

人間の生活を優先しなければならない部分も、少なからずあるはずです。それが一般的に理想の飼育方法ではないと分かってはいるものの、経済的・物理的な理由からどうしても飼育方法を改善できない方もいらっしゃるでしょう。

里親譲渡で交わす譲渡条件とは、それらを全て克服した上で必ずお守りいただく極めて重要な条件です。時にその条件を違反した場合、譲渡動物を返還していただくことを前提とする、最も厳粛な前提条件です。

むしろそれが守れそうにないならば契約できない、一つの振るいのような役割を果たします。

だからこそ、返還を主張できる安全な契約書をどうしてもご用意いただきたかった。ただそれは無料で手に入れられる譲渡契約書が問題なのではなく、返還を主張できる安全な契約書ではなかったことが問題なのだと存じます。

終わりに

里親譲渡における譲渡契約書の重要性
今回ご紹介した譲渡トラブルは、非常に多く見られる里親トラブルです。ただ私達ペット専門行政書士は『多くのトラブルの中のたった一件』として感じるのではなく、未然に防ぎたいトラブルだったと常に痛感します。

専門家に頼むなら確かに費用は掛かりますが、当事務所がご用意した譲渡契約書ならば、本当に安全な譲渡契約書を数千円でご作成いただけます。宣伝のようになって申し訳ございませんが、皆様の大切なご家族様の将来を守るためにも、是非ご利用ください。

この日本から、少しでも悲しいペットトラブルがなくなりますように。敬具

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