ペットサービスの運営で作成する、利用規約。
この利用規約があることで、ペットサービスはより安全に運営することができます。
そのなかでも禁止事項は、利用者に禁止する行動を定める重要な条項です。
ここではペットサービスの利用規約(禁止事項)の書き方ついて、専門行政書士が丁寧にご説明致します。
この記事が、より安全な事業の運営につながれば幸いです。
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利用規約と禁止事項とは
これはペットサービスを始める際、お店のサービスの特徴・利用条件・注意点などを記載した、お店の利用条件を明記する書類です。この利用規約があることで、予め利用者にお店のルールをご理解いただき、トラブル時にもこの利用規約に基づいて処理できます。
アプリケーションを介したサービスならば「アプリの不正利用」や「ウイルスなどの攻撃性のある技術手段」を禁止するなど、そのサービスに応じて禁止する事項を列挙します。
そしてペットサービスの場合、ペットを預ける・ケアする・カットする・運ぶなど、様々な行程でトラブルが生じます。そのため禁止事項は、免責事項と並んで運営上大切な取り決めになります。
過去のトラブルを思い出す・同業者の意見を聞くなど、作成には十分に時間をかける必要があるでしょう。
一般的に禁止事項は、利用者に対して禁止する行動を記載します。ペットサービスでは利用者だけでなくお預かりするペットもいるため、ペットに想定される脱走などは、利用者が意識的に行う行動ではありません。
そのためペットに対して想定されるトラブルは、禁止事項ではなく免責事項や損害賠償の部分に記載します。これはペットの行動により生じた損害に対して、お店側が責任を負わないこととするためです。
禁止事項の基本の書き方
この禁止事項には様々な種類がありますので、安全な運営に必要な条件を選択しましょう。
ではここで、一般的な禁止事項の例をご覧下さい。
登録・利用時の禁止事項
- 利用規約違反・法令違反
- サービス運営者・他者の権利侵害
- アカウントの複製・譲渡
- サービス目的外の利用
- お店を含む他者の信用毀損・財産侵害
- 不正な利益を得る行為
WEBサービスにおける禁止事項
- 逆コンパイラ・逆アセンブルなどの行為
- サーバ妨害や不正ログイン
- ボットやツールを使用した不正操作
- ハッキングやデータ改ざん・複製・修正などの行為
- 不具合を利用した一切の操作
反社会的・宗教行為に関する禁止事項
- 公序良俗違反・犯罪教唆等の行為
- 宗教団体への加入行為
- ストーキングや差別行為など、他者を嫌悪させる行為全般
- 犯罪組織への利益供与
- 性的表現・性的サービスの強要
これらは反社会的勢力や宗教行為によるサービス提供の崩壊を防ぎます。利用者がこれらの事項に該当する恐れがある際、この禁止事項を元に登録解除・利用をお断りできます。
商業行為に関する禁止事項
- 当該サービスで提供していないサービスの提供・受領
- 別のサービス・WEBコンテンツへの誘導
- 許可されていない医療行為や直接契約
- 登録・許可が必要な行為
- サービスの二次利用・複製・事前許可のない契約変更
ペットシッターならシッティング技術や運営方法の習得など、自身のサービスへの応用を禁止しているお店も見られます。これらの多くはマッチングサービスにて見られる禁止事項であり、他のサービスへの誘導を禁止する条件が散見されます。
個人情報に関する禁止事項
- サービスを通じた他者の個人情報の収集
- 個人情報の違法開示・提供・受領・蓄積
- 個人情報の購入・購入の申し出
例えば、担当シッターやお店の情報を第三者に公開しないなどが挙げられます。ただし、お店情報をSNSで拡散していただける場合に、これらの禁止事項が邪魔しないような表現を使用しましょう。
実際はさらに具体的な禁止事項を設定しますので、その数は数十種類にも及びます。そのため書ききれない場合も多く、補えない部分や想定できていない事項を賄うために「その他、当店が不適切だと判断する事項」といった表記を施します。
同時に、利用規約全体にも「本利用規約に定めていない事項に関しては、○○を適用するものとする」といったように、他の規約や契約書とリンクさせたり、「別途協議の上定めるものとする(誠実協議条項)」といった内容も含めます。
誠実協議条項に関しては、包括的で具体性のない意味のない条項と捉える余地もあります。
ただし、利用者に対して「利用規約内に記載していない部分に関しては、話し合いで定めましょう」と暗に表現することには、一定の安心感と信頼感が生まれます。
もちろん、より具体的な禁止事項を設定できることが一番ですが、この誠実協議条項もうまく併用すると良いでしょう。
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ペットサービスに特有の禁止事項
生き物を取り扱うペットサービスでは、お預かりしたペット同士のトラブルや、動物の管理方法にも注意が必要です。そのため、利用者(飼い主)に適切な行動を促すための、禁止事項を設定しましょう。
ペットサービス特有の禁止事項には、以下の例があります。
- 所有権者の許可を得ていない、他のペットとの接触
- 飼い犬等をけしかける行為
- ノー首輪・ノーリードなどの管理精度を低下させる行為
- ペットに対する虚偽登録・虚偽報告(ワクチン接種の有無など)
特にワクチン接種は、サービス利用上必須であるケースが多いため、必ず利用規約内のどこかに記載するべきでしょう。
最終的には、利用者に遵守して欲しい全ての事項を「禁止事項」「利用条件」「利用登録の解除」「サービス内容」「利用登録」など、利用規約内のいずれかに練りこんでください。
皆様のサービス内容を細かくお伺いし、運営方法を含めた最適なアドバイスを差し上げます。