相手のお人柄を確認したい。
トライアル期間を設定することは、飼育環境や相手のお人柄を図ることが可能です。
ここでは里親譲渡前のトライアル期間について、専門の行政書士が丁寧にご説明します。
この記事が、より安全な里親譲渡につながれば幸いです。
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里親譲渡のトライアル期
この里親トラブルの多くは、里親側の飼育放棄・飼育不可・虐待などが挙げられ、これらの多くは飼育を進めていく過程で生じる問題点です。
これは双方にメリットがあり、特に里親がペット飼育が初めての場合に効果的です。
またさらに、トライアル期間(仮里親期間)には、以下の目的と効果が存在します。
- 里親の誠実性を確認する
- 譲渡先の同居人の反応を確認する
そしてそのために確認するべき事項として、里親様の誠実性があります。
これは数値化できるものではありませんが、里親譲渡のお話し合い時に体感するものでもあります。初対面の際の態度や礼儀、その他各種連絡時にご確認下さい。
特に同種の動物との相性は非常に大切です。上下関係によるいじめの有無も確認しておきたい点です。
そのため次は、以下のポイントを押さえると良いでしょう。
- 犬・猫の飼育にかかる経済的負担を体感してもらう
- アレルギーの有無を確認する
そしてペット飼育には、食費だけではなくワクチン接種・各種治療費・トリミング・遊戯用の道具など、健康的に飼育するための多額の費用が必要です。
そのため、あらかじめ里親譲渡におけるお話し合いで、どのくらいの費用が必要になるか(必要になったか)をお話することも大切です。
特に飼い主様だけでなく、同居人の方の動物アレルギーの有無を確認しましょう。今まで自覚はなかったが、実際に飼育すると数週間で動物アレルギーの反応が出ることがあります。
過度の心配は里親譲渡自体をふいにしてしまいますが、できる範囲内でバランスよくご確認されると良いでしょう。
譲渡時にはこれから共に、同じ愛犬家同士情報共有できるよう、人間関係も育てていきたいものですね。
期間の設定から本譲渡までの手順
ただし個々で定めた契約方法により、その方針は異なります。ここでは一つの例としてご覧いただければ幸いです。
- 里親募集時に、仮里親期間を設ける旨を明記する
- トライアル期間と報告の内容など、詳細な取り決めを交わす
- 仮里親契約書を作成し、締結する
- 期間内で実際に飼育する
- 期間終了後に、将来の譲渡に関して再度話し合う
- 本譲渡契約書を作成し、締結する
そのためにもまず里親譲渡時には、仮里親期間を設定する旨を明記しましょう。
そして次に、話し合いで仮期間と報告内容などの詳細事項を定めます。また短期間に生活環境が変化する場合、愛犬・愛猫もに負担がかかるため、1カ月程度の期間を設定すると良いでしょう。
なぜなら、トライアル期間を経ても返還しようとしない里親様が多く見られるからです。これは飼育環境違反で本譲渡を見送らせていただきたい、と申し上げた場合に多く見られます。
やはり口約束に留めた場合は証拠として残らず、効果が激減します。そのようなトラブルに発展しないためにも、必ず書面での仮里親契約を交わすべきでしょう。
そして実際に期間内で飼育・報告をおこない、期間終了後の再度の話し合い時に、飼育の感想や質問などを伺いましょう。
この段階で「実際の飼育は大変だった。やはり里親の話は見送りたい。」と断られるかもしれませんし、「食事の好みがあります。○○ちゃんは何が好きでしたか?」など、今後の飼育に向けた、より良い情報共有ができるかもしれません。
どちらの場合にも、より良い里親譲渡につながるでしょう。
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契約書の記載例
次に仮里親契約書の記載条項例をご覧ください。
契約書の基本形(書き方やポイント)などは、以下の記事をご参照ください。
参照:犬・猫の里親と定める詳細事項と譲渡契約書の書き方(文例付き)
基本条項
- 仮里親期間
- 期間内の費用負担
- 期間内のペットに対する責任の所在
- 期間内の所有権は元親にあること
- 期間内の面接や飼育状況の報告方法
- 里親・元親の緊急連絡先
- 期間内の違反事項と違反時の本譲渡の見送り
- 期間終了後に譲渡契約書を締結する旨
さらに、仮里親契約書に本譲渡契約書を締結することを定め、所有権移転のタイミングが明確になり、譲渡手続きもスムーズです。
次に虐待・販売・繁殖目的の里親譲渡を回避するための項目です。彼らは仮里親期間の設定や、その間の飼育状況の報告を嫌うため、以下の条項が効果的です。
里親詐欺を回避する条項
- ペットの面接の設定
- 写真での飼育状況の進捗確認
- 定期的な動物病院での診察結果の送付
- 毛並・体重などの成長報告
- 結婚や退職など、生活環境の変化があった場合の譲渡見送り
- ケガ・病気時の報告義務
飼育条件に応じて契約書の条項を適宜変更すると、より安全です。