犬の飼い主が確認しておくべき法律と条例・規則の一覧
初めて愛犬を迎え入れる場合、飼い主が確認するべき法律や条例があります。

これらは確認しておくだけでも、いざという時に役に立ちます。

ここでは飼い主が読んでおくべき法律と条例について、詳しくご説明します。

この記事が、ペットライフのお役に立てれば幸いです。


動物愛護管理法に規定された飼い主の管理責任

動物愛護管理法には、飼い主の管理に関する数多くの条項が規定されています。

そのなかで、飼い主が特に確認すべき条項は以下の通りです。

動物を管理する際の義務

第二条 (基本原則)

(1) 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。

(2) 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。

動物を管理する際の努力義務

第七条 動物の所有者又は占有者の責務等

(1) 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

(2) 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。

(3) 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(4) 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。

(5) 動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

(6) 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。

(7) 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。

犬・猫の繁殖に関する努力義務

第三十七条 犬及び猫の繁殖制限

(1) 犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。

(2) 都道府県等は、第三十五条第一項本文の規定による犬又は猫の引取り等に際して、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない。

動物の虐待・遺棄に対する罰則

第四十四条 罰則

(1) 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

(2) 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。

(3) 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。


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地方公共団体に規定された義務

次にお住まいの地方公共団体にも、管理に関する条例が設定されています。

地方公共団体によって条例に差異がありますが、基本的には動物の取り扱いに関する義務を設定しています。

ここでは例として、東京都動物の愛護及び管理に関する条例を引用します。

飼い主になる際の努力義務

第六条 飼い主になろうとする者の責務

飼い主になろうとする者は、動物の本能、習性等を理解し、飼養の目的、環境等に適した動物を選ぶよう努めなければならない。

動物の管理に関する努力義務

第五条 飼い主の責務

(1) 飼い主(動物の所有者以外の者が飼養し、又は保管する場合は、その者を含む。以下同じ。)は、動物の本能、習性等を理解するとともに、命あるものである動物の飼い主としての責任を十分に自覚して、動物の適正な飼養又は保管をするよう努めなければならない。

(2) 飼い主は、周辺環境に配慮し、近隣住民の理解を得られるよう心がけ、もって人と動物とが共生できる環境づくりに努めなければならない。

(3) 動物の所有者は、動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするよう努めなければならない。

(4) 動物の所有者は、動物をその終生にわたり飼養するよう努めなければならない。

(5) 動物の所有者は、動物をその終生にわたり飼養することが困難となった場合には、新たな飼い主を見つけるよう努めなければならない。

飼養に関する義務

第七条 動物飼養の遵守事項

飼い主は、動物を適正に飼養し、又は保管するため、次に掲げる事項を守らなければならない。

(1) 適正にえさ及び水を与えること。
(2) 人と動物との共通感染症に関する正しい知識を持ち、感染の予防に注意を払うこと。
(3) 動物の健康状態を把握し、異常を認めた場合には、必要な措置を講ずること。
(4) 適正に飼養又は保管をすることができる施設を設けること。
(5) 汚物及び汚水を適正に処理し、施設の内外を常に清潔にすること。
(6) 公共の場所並びに他人の土地及び物件を不潔にし、又は損傷させないこと。
(7) 異常な鳴き声、体臭、羽毛等により人に迷惑をかけないこと。
(8) 逸走した場合は、自ら捜索し、収容すること。

この他にも条例の中には、脱走や事故防止、緊急時の措など、飼育に関する各種の事項が定められています。各詳細は、お住まいの地方公共団体のHP等でご確認下さい。

民法に規定された管理責任

次に、民法には飼い主の管理責任に関する条項が規定されています。

これは飼い犬の噛みつき事故など、非常に発生しやすい管理責任です。

民法第718条 動物の占有者等の責任

動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

その他の確認しておくべき法律・規則

前述の法律・条令は、飼い主に向けられた全体的な法律・条令です。飼い主はそれらに加えて、各種届出・お住まいの環境下での動物管理規則を確認しなければなりません。

まずは以下の規定を確認しましょう。

  • 家庭動物等の飼育及び保管に関する基準
これらは環境省が定める、犬・猫と人の共存に求められる基準です。その多くは努力規定ではありますが、飼い主としての大切な心構えを学ぶことができます。

参照:環境省 家庭動物等の飼育及び保管に関する基準

  • 狂犬病予防法・狂犬病予防法施行規則
次に愛犬を迎え入れる際の登録と、狂犬病予防注射など各種届出に関する法律・規則です。

ここには飼い主に求められる手続きと届出、各種罰則が規定されています。こちらも是非ご一読ください。

詳細記事:愛犬の迎え入れ時と各種の変更時に行う手続きの詳細一覧
 参照 :厚生労働省 狂犬病予防法
    :狂犬病予防法施行規則

  • お住まいのマンション管理規約
  • 自治会・町内会の適正飼育に関する規定
最後に、お住まいの地域で定められている規約・規定です。地域の特徴によって、細かな飼育条件を設けている場合もありますので、必ず確認しましょう。

特にマンションの管理規約は、ペットトラブルに直結する大切な規約ですので、事前確認が必要不可欠です。

参照:ペット禁止賃貸でのペット飼育に契約解除が認められる場合

この様に、飼い主が守るべき条例や規約はたくさんあります。

これらの事項が、より安全なペットライフの基礎を作り上げてくれるものだと思います。